奈良にまつわるお話が多く、生まれ育った奈良への思い入れも大きいということから「奈良公園近郊で撮影しましょう」となったワコちゃんの撮影。
インタビュー内容とは別に、撮影をしている道中でその場所、場所で生まれたご自身のエピソードが語られたりもしたので、それを紹介する記事もできるかなと思ったりしました。
というわけで、最終話はワコちゃんの「超個人的で、限定的な奈良の観光案内」です。
超個人的で限定的な奈良観光案内

当日、待ち合わせたのは奈良公園の向かい、奈良県庁のあたり。
この日は大雨で、県庁前の歩道が屋根があるのでちょうどいいというのとかもあって、そのあたりで落ち合った感じで。
(修学旅行生や遠足でやってきた近隣の幼稚園児などでごった返してたけど、せっかくだしと撮影を敢行)
昔は屋根がなかった県庁前のバス停

上の写真は、奈良県庁の前にあるバス停。
時刻表などが載っている簡単な標識だけじゃなく、朱塗り・屋根付きの立派な停留所になっている。

中学生のときは毎日、ここからバスに乗ってたんですよ。



あ、奈良教育大附属って言ってたよね。
自転車じゃなくバス通学やったんですね。



そうです。昔は屋根はなかったんですけどね。



県庁横にバスターミナルができたけど、それが完成したくらいにここもグレードアップしたのかな。
ま、でも、屋根あったおかけで雨の日でも撮影できてよかった。
奈良公園で鹿(シカ)とたわむれる


めっちゃ雨降ってるし、奈良公園に行くのは微妙かな?と思いつつ、せっかく目の前まで来てて立ち寄らないのはさすがにどうかしているというかもったいないので、傘をさしつつ撮影を行った。
雨の日でも、変わらずシカはたくさんいた。
屋根のある休憩スペースみたいなところもあったので、そちらにもお邪魔する。


最初、前を通った時は雨宿りする観光客の人しかいなかったんだけど、戻ってみると鹿がめっちゃ進入してた。
たぶん、この日は雨で人が少なかったので、やりたい放題やってるのかもしれない。



せっかくなんで、私も写メ撮っときます。





じゃ、せっかくなんで、建物のフレーム越しの撮影もしときましょう。




というわけで、建物のフレーム越しの1枚と、フレームから乗り出して撮ったのと。
つーか、一番後ろのやつがずっと毛づくろいというか、自分の口で自分の毛をモフモフやってるやんとかあるんだけど、なんか面白い感じの写真が撮れました。
雨の日じゃなかったらこういう画は撮れなかったと思うので、これはこれでよかったのかなと思います。
春日大社をスルーして東大寺大仏殿の方へ


奈良公園を出て、前の歩道を東に進んでいくと、しばらくして
- 右手に行くと春日大社
- 左手に行くと東大寺
というポイントに出てくる。
春日大社もええなーとか話してたんだけど、また後にして、ひとまず東大寺の方に行きましょということになって、くだんのポイントを左折(北に向かう)。
雨の日でもけっこうたくさんの修学旅行生たちが行きかうなか、東大寺の大仏殿の方に向かうことに。
東大寺南大門でも撮影


東大寺南大門での1枚。
この門の左右には、有名な金剛力士(仁王)像が鎮座している。
門を抜け、少し歩くと進行方向の左手に東大寺ミュージアムが見え、大仏様の実物大の手(実物大)の展示が目をひく。



あれ確か、私が子どものころは実際に触ったり、手のひらに乗ったりできたんですよ。



いたずらするやつも中にはいるかもとかで、さすがにそれはやり過ぎみたいな感じで、できなくなったんかな。



そんな感じだと思います。



新潟の「ドカベンロード」でも、銅像の岩鬼の葉っぱが折られたりしてたもんな。
そこからさらに少し行くと、進行方向左手に東大寺勧学院がある。


こちらはお坊さんたちが勉強する施設だそうで。
一般の方にも開放され、仏教や文化の講座なども開講されている。
東大寺勧学院
勧学院では、各方面でご活躍されている先生方を講師にお招きして、仏教や文化の講座を開講しております。以下に講座の紹介をしておりますので、みなさまお誘いあわせの上、ご来聴下さい。
出典:東大寺 通常講座のご案内
東大寺大仏殿はスルー


南大門から続く路を真っすぐ行けば大仏殿だけど、そこはスルー。
ワコちゃんはもとより、自分もふくめ子どものときから通算したら何度か行ってるからそうしたのかというとそうではなくて、大仏殿からは拝観料がかかるという現実的な問題から今回はパスさせてもらった。
ちなみに、実家が東大寺の近くというワコちゃんにとってこのあたりは庭みたいなもんで、日常的に行き来しているという。
下の三角坐りしているところは、東大寺大仏殿の東側の塀のところ。





お気に入りのスポットのひとつで、季節のいいときなんかは、ここに来て読書とか昼寝とかよくやってました。



いいですね。庇もあるし、石畳で涼しそうだし。
ザリガニを釣っていた小川の溝に落ちて東大寺の歴史を変える!?


三角坐りをしていた場所から、道を挟んだ向かいには小川が流れている。
それがこちら(上の写真)。



ここにザリガニがいっぱいいて、小さいとき、お兄ちゃんとかお姉ちゃんとよく捕りにきてたんですよ。



東大寺の敷地内が遊び場だったんですね。



で、そこのとこにハマって溺れかけたことがあって…。



え、どこ?(笑)



そこです。今は鉄の蓋がかぶせられてるんですけど。


「そこです」と指差すワコちゃん。
指し示す先には、名称わからんけど網目になってる鉄の蓋みたいなのがかぶせられているけど、これは昔はなかったそうで。



私が落ちてから付けられたんですよ。



東大寺の歴史を少し変えましたね(笑)。
ちなみに、そのときは一人でザリガニ釣ってたん?



お姉ちゃんと来てたんですけど、目を離してる隙に落ちてしまって。お寺のスタッフの方に助けられて、事なきを得ました。



よかったね、大きなケガとかにならなくて。
猫段を上り、東大寺鐘楼(奈良太郎)へ


ワコちゃんが子どもときにハマった小川沿いにしばらく行くと、右手に階段が見えてくる。
通称「猫段(ねこだん)」と呼ばれているそうで、ここで転ぶと猫になると言われたことから来ているという。
この階段を上るか、直進するかを考えていたときに、「上にめっちゃ大きな鐘がありますよ」とワコちゃんが教えてくれ、それやったら行ってみよかとなって、一同転んで猫にならないように気をつけながら階段をゆっくりと登っていった。
そして、くだんの鐘楼がこちら。





NHKの「ゆく年くる年」の除夜の鐘で紹介されたこともあるんですよ。



由緒ある鐘なんですねー。
とかいってたら、設置されている立札にふと目をとめてみたら国宝だったりした!


梵鐘は奈良時代、鐘楼は鎌倉時代のものだそうで。



説明によると、日本三大名鐘にも数えられてるみたい。



由来は知らなんですけど、「奈良太郎」って呼ばれてたりもするんですよ。
ちなみに、鐘が落ちたときの後なのかどうなのかはわからないけど、鐘の真下の地面には薄い青い色の円が刻まれている。
↓ ↓ ↓ ↓


これだけ見ると、そこまで大きくないかもって感じかもしれないけど、実際はめっちゃ大きいので、東大寺に行った際にはぜひ覗いてみてください。



有名な二月堂に比べるとこっちに来る人は少ないので、ゆっくり観光できるし、その観点からもおすすめです!
お祖父ちゃんとの思い出がつまった二月堂案内書


鐘楼から来た方向の反対側に降りていき、東大寺法華堂(三月堂)の前の道をたどって、そのお隣にある二月堂へ。
ワコちゃんが幼少期より馴れ親しんだ東大寺の中で、二月堂はもっとも好きで、思い入れのあるスポットでもあるという。


こちらは二月堂に続く階段を上ってすぐのところにある「東大寺二月堂案内書」(右)とお茶屋さん(左)。



お祖父ちゃんが昔この案内所に勤めてて、学校が終わって、家にランドセル置いた後によく遊びに来てたんですよ。



それは確かに思い入れある場所ですね。



週に1回、2回くらいでしたけど。んで、お祖父ちゃんを迎えに行ったら隣のお茶屋さんで、わらび餅とか買ってもってみたいな(笑)。



お孫さんには甘いからな(笑)。
二月堂から見る奈良の景色が好き


放課後にお祖父ちゃんを迎えに二月堂に行ってたエピソードからもわかるように、ワコちゃんにとって二月堂は子どものときから身近なものだった。
そこから見える風景も馴染みのものとなっているが、見飽きることはなく、いまでも一番好きな場所だという。
そんな二月堂から見下ろした風景がこちら。


この日はあいにくの雨で遠くの方は白く霞んでるけど、晴れてると奈良市街が一望できる。



こういう場所に来て、こういった景色が日常的に見られるっていうのは普通に贅沢なことですね。



本当にそう思います。当たり前すぎて、最近まで気づいてなかったけど。
で、二月堂といえばお水取り=修二会(しゅにえ)が有名で、長い登郎(廊下)を松明を持った練行衆が駆け上がっていく姿をニュースなどで見たことがある人も少なくないだろう。
その登郎(廊下)がこちら。


反対側からだとこんな感じ。


上から撮っても下から撮っても、すごくフォトジェニックなので、ぜひ行った際は撮影してみてください。
個人的な話になるけど、撮影当日は大雨だったんで、その意味でもここでの撮影は助かりました。
葉書の由来は二月堂の前の木!?


小見出しで謳っている「二月堂の前の木」が写真に写っている木のこと。
情報源は地元民のワコちゃんだが、後になって「間違えてるかも」という連絡が入ったので改めて調べてみると、ハガキの「葉」が使われているのは「郵便局の木」にも指定されている「タラヨウ(多羅葉)」に由来するらしい。
はがきの語源は、紙片などに書いた覚書き「端書(はしがき)」で、元来は「端書」「羽書」と書かれた。
江戸時代には、借金の督促状、仮の徴税令書、伊勢国の紙幣などを「はがき」といい、郵便制度が導入された明治以降、主に郵便葉書を指すようになった。漢字の「葉書」が用いられたのも明治以降のことで、一円切手の肖像となっている近代郵便制度の創設者 前島密(まえじまひそか)が採用したとされる。
「はがき」の「は」が「葉」になった由来は、別名「ハガキの木」と呼ばれ、「郵便局の木」にも指定されている「タラヨウ(多羅葉)」に由来する。
出典:語源由来辞典
だそうです。
で、ちょっとややこしいのが、このタラヨウの木が二月堂の近くにもあったりする。
(タラヨウがフィーチャリングされる想定をしてなかったので、写真には撮ってなかったけど)



そのあたりの情報が錯綜して、目の前の木が葉書の由来ってことになったのかもしれへんね。



誤情報すみませんでした(泣)
で、このタラヨウがすごいのが、本当に葉っぱに字を書けること!?
葉の裏面に堅いもので字や絵を書くと、その部分がやがて黒くなって浮き上がる。そのまま乾燥すると、この黒い部分はそのまま残るので、保存することができる。研究室には、20年もののタラヨウの葉があり、ちゃんと現在も読める。
出典:タラヨウの葉
葉書の由来になっただけのことはある。
とか思ってたら、二月堂の長い階段を下りたところにタラヨウの葉が落ちていた。しかも文字付で!?


「ですよー」「かいり」「さようなら」と読める。
たぶん、観光ガイドかボランティアの案内人の人に、タラヨウの木のところに来たときに「葉書の由来になった木です」とかいう説明を受けて、おっしゃー、じゃ一丁書いてみたろ!とか思ったやつがおって書いたのではないかと思われる。



それにしてもすごいタイミングで落としますね。私、長年通ってますけど、こんなの見たことないです。



いい記念になりました。
サワガニがたくさんいるけど捕ってはダメ


二月堂の長い廊下を道なりに行くと、上の写真のなだらかな坂道に出る。
土塀が趣がある感じで、その中に瓦が挟まっている(瓦土塀というらしい。そのまんまだけど)。



この道はなじみの道で。



お祖父ちゃんを迎えに行った帰りに通ったりとか。



そうです。んで、道沿いに流れてる小川にサワガニにたくさんいて、子どものときよく捕ってたんですよ。



え、どこですか?
とのぞいてみると、たしかにサワガニがいた。









一匹だけと思ったけど、よく見たらいっぱいいますね。



子どものときにいっぱい捕ってたら、お寺の人が「捕るな」って看板出して、以降ここでサワガニ捕まえるのは禁止になったんですよ。



さっきのザリガニ釣りの鉄の蓋と同じで、東大寺の歴史に微妙にコミットしてますね(笑)



今もどこかに看板ありますよ。
ということなので、サワガニ同様ちょっとさがしてみると、たしかにあった。





穏やかな口ぶりですけど、私が見た最初のやつは、もっと断定的に捕獲の禁止を通達した記憶があります。



まあ、でも今もこうして沢ガニがたくさんいてよかったですね。
東大寺境内のホタルの名所


瓦土塀と石畳の風情のある道を道なりにまっすぐ行くと、しばらくして左手に畑が見えてくる。



ここがね、蛍の名所なんですよ。



いっぱい出るんだ。



6月の雨が降った次の日とかは、めっちゃホタルが出ています。



隠れた名所ですよね。
さいごに


その後も来た道をまっすぐに歩き、上の写真のようなシカの群れに遭遇し、大仏殿の裏門の前を通って、結果的に東大寺大仏殿の外周をぐるっと一周まわってきたような感じで、元来た道に戻っていった。
ちなみに、大仏殿の裏門の前の道の前には広大な芝生が広がり、シカたくさんいて、晴れてたら絶好の撮影スポットだったんだけど雨降ってたので断念(というか、この頃になるとけっこう疲れてた)。
さらにその芝生の奥には宝物殿で有名な正倉院もあったりしたのだけど、そこまで行く気力も当然のようになった。


で、来た当初は東大寺と春日大社の分岐ポイントで「まずは東大寺」とか言ってて、「まずは」ということは後で春日大社にも行く想定だったわけど、そんな元気は誰にもなかった。
少なくとも僕にはなかった。というか、時間も16時回ってて、ええ感じの時間帯になっていたというのもあるし。
というわけで、当初は、
- 猿沢の池
- 興福寺
- 奈良もちいどのセンター街
といったあたりでも撮れたら撮ろうとか言ってたけど、当然そんなのも無理だった。
第一話で言ってたみたいに、ワコちゃんがタイから戻ってきて、また撮影する機会があれば、そのときはぜひ今回行けなかったあたりで。
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