東京から神戸・和田岬に引っ越しをしてきたルカさん。
時系列が無茶苦茶だけど、最後に幼少期のこととかちょこっと訊いてみました。
※写真:白石卓也
好きだったオルタナティブ系の音楽が友だちを増やすきっかけ

子ども時代って、どんな感じだったんですか?って訊いてみると、「一人遊びがずっと好きで」とルカさん。
運動が苦手で、ゲームも買ってもらえなかった。でも、周りの友だちは外で遊ぶのが好きだし、ゲームが好きだしみたいな環境だったので、一人でずっとマンガを読んでいたりしたという。

クレヨン見て「水色とピンクが結婚だ」とか、なんかそんなこと言ってたり。
んで中学は、お母さんが「友だちの作り方学べ」って言って(同じ校区の友だちは)誰も行かない、家から離れた中学校に行かされて。



ということは、小学校までの友だちはいないみたいな環境になって。



そうですね。校区内にいっぱい中学があって、選べたんですけど、私の小学校からはそこに誰も行かないみたいなところに行って。めちゃくちゃアウェーで。
中一の時は女子にハブられて。中二、中三でぽつぽつ上手いことできるようになって。そこから人見知りはなくなったかも。



中二から改善されてきたってことは、ルカさんから話しかけにいったりしたってことですか?





お姉ちゃんがラジオとか聞いてたんで、それの影響で音楽とか聞き始めるようになって、いま考えると浅はかなんですけど、みんなが知らないバンドの音楽いっぱい聴いて、みんなが知らないこと知ってるみたいなのでけっこう自信を保ってて。



まあ、でも中学生くらいだとそういうのありますよね。



それで自分のプロフィールみたいなのを書いて教室に貼るっていうのがあって、「好きな音楽」ってとこに知ってるバンド名を全部バーッと書いてたら、ちょっとサブカル好きな女の子とかがポツポツ話しかけてくれるようになって。
で、その子がけっこう目立つような子だったんで、そういう子と話すようになったら、もうみんな大丈夫みたいな感じになるじゃないですか。



教室カーストのトップみたいな感じの子と友だちなって。



そうです、そうです。


ちなみに、そのとき書いたバンドっていうのが、
- 銀杏ボーイズ
- andymori
- 踊ってばかりの国
- RADWIMPS
- おとぎ話
とかで、踊ってばかりの国は僕も好きだったので「いいよね~」と話し合ったり、アンディモリはあんまよく知らんけど小山田壮平がその後に結成したALってバンドはけっこういいなと思ってたけど「最近やってんの?」って訊いたり、「さすがに、おとぎ話は中学生の子とか知らんやろ」とつっこんだりした。
おとぎ話は、なんか昔、前野健太のバックでやってたときに、リードギターのやつがちょっとジョージ・ハリスンっぽい雰囲気だなと思った思い出が。つーか、高校生のときアゴのラインがジョージに似てるって言われたことあります。僕の話ですけど。つーか、アゴのラインってなんやねん。
ライブによく行っていた高校生の頃


一番よくライブに行ってたのは高校生のとき。
新宿マーブルってライブハウスが、当時は高校生だとドリンク代とチケット代込みで1,000円で入れて、そこによく行っていた。



マーブルは、多いときで週に2、3回とか。好きなバンドが出てるときはもちろん、名前聞いたことがあるやつに行ったりとか。
高校生がいることがバンドの人たちからしたら珍しくて、だからそのイベントの時とか(次あるから来てねと)声かけてくれて。



マーブルってハコは何系が多かったんですか?



青春パンク系とかは多かったかな。あとは中央線沿いのライブハウスとか行ってました。



じゃあ、短大時代までよくライブ行ってたんですか?



そうですね。フリーターやり出してから忙しくなって、あまり行けてないですね。
関西に来てからどっか行きました?って訊いたら、ちょっと前に堺ファンダンゴに行ったとのこと。
そうか、十三じゃなくてファンダンゴは堺に行ったんだと再認識して、誰を観に?って訊いたら、例のにたないさんがやってるジョズエというバンドだった。
本も好き。サンテグジュペリがお気に入り


小さい頃から一人遊びが好きだったルカさんは、自然と本も好きになった。
家にも本があったけど、家族で遊びに行くとなったら、よく近所の図書館に出かけていたという。



本は西加奈子さんが好きで。



今は何読んでるんですか?



ちょっと前に三島由紀夫の『金閣寺』読んでて、いまはヘミングウェイの『老人と海』読んでます。





めっちゃ古典というか、硬派やな。なんか「本好きなんです」みたいに言ってこられて、なに読んでんの?って訊いたらだいたい売れ線のエンタメ系の本やったりして、それがダメとかでは全然ないんですけど、僕は純文系とかが多い感じで、あんましそういうの読んでる人がいない。
ヘミングウェイとかめったに出てこうへんし。



私も初めて手に取りました。本屋さんに行ったときに、そういえばこれ読みたかったやつだってなって。



一番好きな本は?



『星の王子さま』かな。


『星の王子さま』というか、サンテグジュペリの話題が出たところで、さっきの音楽の話ともつながって、七尾旅人知ってる?って訊いたら、「サーカスナイトの人ですよね?」って返ってきたけど、たしかに最近の若い人にはそのイメージやねんけど、最初期が好きで、ファーストアルバムの「ガリバー2」って曲を聴いてみてってって話になったりして。
なんで急に「ガリバー2」やねんというと、「ガリバー2」の歌詞のなかにサンテグジュペリが出てくるからで。
んで、ガリバー2にはサンテグジュペリだけじゃなくて、カート・ヴォネガットの「プーティウィ?」も出てくる(この曲を聴いた当初、これがサリンジャーとかセリーヌとかだと、なんかあざとい感じがすると思うんだけど、サンテグジュペリとヴォネガットってのが絶妙にいいとか思ったりした)。
ちゅーか、久しぶりに「ガリバー2」をYoutubeで聴いたら、2000年のライブのやつ上がってるやんけ(これの確か心斎橋クラブクアトロでやったやつ行った)。
んで、七尾旅人『LIFE HOUSE』vol.18でガリバー2やってた。なんか感慨深いな。
ローソンの半額弁当を夜中に食す


ちなみに、いま行ってるスーパーの仕事は13時からで、仕事は22時か23時まで。
22時に帰れたときはスーパーがまだやってるんでスーパーでなんか買って、23時だとスーパー閉まってるんで近所のローソンに行く。



基本的には帰ってきてから作って食べるんですけど、23時台に行くとお弁当が半額になってたりするんですよ。
ファミマ、セブンはなかなかしょっぱくて、あんまり半額にしてくれないんで、コンビニならローソンですね。



半額弁当アツイですよね。だいたい夜ご飯は、そんな感じの時間なんですね。



そうですね。友だちと電話で、18~26時の間でしかご飯を食べない「8時間ダイエット」しようって約束したんですけど、1日でやめちゃいました。





昼から夜遅めって感じですけど、それは元からそういうシフトだったのか、それとも選んだんですか?



もともとそういうシフトでした。飲みすぎちゃうんで、飲みに行けなくもなるし、ちょうどいいやと思って(笑)。



じゃあ、東京のときはけっこう飲み歩いてた感じ? 週のうち半分とくらいとか。



そうですね。人といっしょに住んでないときは、けっこうお飲み歩いてました。



今は夜ご飯は遅めやけど、そういう意味で健康的な生活ですね。



そうですね。和田岬だと終電もカツカツですし。
陣中見舞いに来たお母さんが大家さんと文通友達になっていた件


大学卒業して、就職決まってみたいな感じではなく、思い立ったように東京から神戸にやってきたルカさん。
ぜんぜん問題ないし、どこに引っ越そうとその人の自由なんだけど、いうても若い娘さんなんで、お母さんとかは何も言わなかったのだろうか。



お母さんは、「神戸ってさ、パンがおいしいんでしょ?いいなー」みたいな(笑)。



けっこう軽いノリやったんですね。その感じやと、言うてる間にこっちに遊びに来そうやね。



もう来ました。



もう来たんかい。早いな(笑)。


東京のときは、月に1回のペースで会ってたそうで、神戸に来てからはさすがに月1とかではないけど早くも一回やってきて、日常的にLINEでやりとりもしている。
今、お姉ちゃんがお母さんの実家がある鹿児島で住んでるとのことで、娘さんが二人とも東京から離れたら寂しがってんちゃうん?って訊いたら、「家族でも、人は人だから、みたいな人なんで」とのこと。



大家さん隣に住んでるんですけど、お母さんがこっち来たときに大家さんに挨拶して、知らない間に文通してるらしいです。
なんかめちゃ仲良くなって。



それはそれで微妙な立ち回りやな。
大家さんはおじいちゃん?若い人?



60代くらいのご夫婦で、その奥さんの方と文通してるみたいで。



てか、なんでお母さんが大家さんと文通してるってわかったん?



手土産でさつま揚げをもっていったんですけど、その後お母さんと話してるときに「大家さんがさつま揚げおいしかったってー」ってお母さんが言ってて、「え、なんで知ってんの?」ってなって。
「文通友だちになったんだー」って。



お母さんも面白い人ですね(笑)
やってみたいことはない


神戸・和田岬に2022年6月にやってきて、関西での生活が始まった。
街を歩くのがとにかく気持ちいいとのことだったが、ぼちぼちこっちでの生活も落ち着いてきて、目標というか、次になにかやりたいこととかあったりしますか?って訊いたら、「いや、ないです(笑)」という答えが返ってきた。



ずっと神戸に住むかわかんないし、また東京戻るかわからないし、また違うところ行くかもしれないし。
わかんなくて。全部、何も決めないでおこうって。一番最初にライターやったときに、なんかもう好きなこと仕事にするとかじゃない人間なんだって気づいて。



詳しく教えてください。



なんだろう、なんかその「仕事をメインで生きる」タイプの人間じゃないってことに自分が気づいて…。仕事を軸にして生活したいっていう、それが楽しかったらいいんだろうけど、私は別に仕事が好きじゃない感じで。
なんか、その書くことは好きだけど、ま、楽しいっちゃ楽しいけど、「それがメインになるわけじゃないんだ自分」っていうのに気づいてから、絶対にこう、仕事をメインにしない…。なんか、こう社会にもうまくなじめない人間なんだって痛感した。





ちょっとでも嫌なことがあったら、本当にちっちゃなことで嫌な気持ちになる。まあ、みんなそうかも知れないですけど、そういうもんだからって割り切るんだったら、もう絶対、人生のメインにすることをなんかそこで、これはこれ、それはそれって、割切りたくない。
好きなことに対しても自分自身も絶対に曲げたくない、誰にも文句を言わせたくない。だから、そこ(仕事)に重きを置くのはやめて社会にも上手く馴染めないなりに、…なんだろう、あんまりもう、つらい思いを自分にさせない生き方しか、しないようにしようって思って…。
何の話でしたっけ(笑)



いい話でしたよ(笑)。
今後の話をね、お尋ねしたら何も決めないとおっしゃったから、どういう経緯でそういうふうになったのかな?っのを訊いた感じで。



あ、そうでしたね(笑)。
つらいこと(を自分に)何にもさせない、無理しない。正社員になるとかも考えない。とりあえずいま生きていける――。
とにかく自分のしたいことをしてあげる、自分に。それだけは決めてます。





ちなみに、というか話変わるけど、東京の友だちとかと連絡は取ったりしないんですか?



取ってるというか、みんな先月も来たし、今月も来るし、来月もなんか来ますね。



それはいつのときの友だち? 短大のときの子? 高校のとき?



みんな飲み屋で知り合った子ですね(笑)
高円寺とか吉祥寺とかで。



こっち来たときは、三宮とか案内してあげるの?



うん、案内したり、私も行ったことないとこあるから、いっしょに行こうみたいな。





ほいで飲みにくみたいな。



うん、飲み行きますね。



逆に、帰るとかじゃなくて、東京に遊びに行くというか、そういうお誘いはあったりしないの?



よく東京の友達から飲みの誘い来ますよ、いまだに(笑)。



ほいで飲みにくみたいな。あ、でも、和田岬に来たとこやし、まだもうちょい先ですね。



とりあえず、今は(友だちが)こっちに来たときに飲んでます。
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