クレープえんどうを寺田町にオープン!おいしいのは絶対で、地域に愛されるお店にするのが目標

店長として経営をまかされていた複数店舗の引き継ぎを無事に終え、2023年5月から本格的に自分のお店の開店準備にかかる。


この記事では、テナント決めからお店の準備、そしてお店のこだわりなどについて詳しくご紹介。

最後に、店主のモモカさんが理想とするクレープ屋さんについてもお伺いした。

※写真:白石卓也

目次

オープンに向け店舗の改装とメニュー作りに励む

現在のお店の場所となっているJR環状線寺田町駅・南口を出てすぐのテナントは、2023年の1月に契約したことを第二話で記した。

同物件は、一か月前の12月にネットで発見し、すぐに内見に行ったらすごく良かった。

モモカさん

で、両親が仙台から二回目の内見に来て。

なかがわ

あ、来てくれたんや。てか、連絡したんですね。

モモカさん

はい。なんか不動産屋さんに舐められるかもしんないしみたいな。

なかがわ

なほるほど。若い女の子一人やし。


ということで、再度内見した結果、ご両親も「いいんじゃないか」となって、1月末に契約。

ちなみに、1つ前に入っていたのは大人気のハンバーガー屋さんで、居抜き物件になるが元からあったカウンターだけ残して、後は内装などすべてをリノベーションした。

クレープのキモとなる生地に使用する卵は地元・宮城県産のものを使用

店舗の改装と並行して、メニューやトッピングの中身、生地やクリームの調整などを行った。

方向性としては、インスタ映えを意識した見た目が華やかで、豪華なクレープではなく、徹底的に味にこだわろうと思った。

中でもクレープのキモとなる生地づくりは特にこだわるとともに、そこにプラスして、自身の出身地である宮城県産の材料を取り入れたいと考えた。

モモカさん

生地づくりに欠かせないタマゴは、宮城県産の「べにゆたか」を使用しています。


宮城から複数のブランド卵を取り寄せ、クレープを試作し、一番いいと思った「べにゆたか」を選んだ。

モモカさん

送料めっちゃ高いし、大阪にもいい卵はあるんですけど、やっぱそこは味へのこだわりとともに、地元色も出したくて。

バターやチョコなどの各素材もこだわってセレクト

徹底した生地へのこだわりはもとより、それ以外の食材にも「自分がいい」と思うものを厳選して取り入れた。

例えば、チョコソースは一般的なものではなく、クーベルチュールチョコを溶かしたものをトッピングする。

クーベルチュールチョコとは

カオマス、カカオバター、砂糖のみで作られたもの。カカオバター31%以上、カカオバター以外の油脂は使用不可などの厳密な規定がある。

モモカさん

カカオバターを多く含んでいるため、とても滑らな口溶けになっています!


もちろん、生クリームやキャラメルソースなども自家製。

バターシュガーはカルピス特選バターを使用している。

モモカさん

カルピスバターは、深いコク、透きとおる口どけ、
上質でクリーミーな味わいのバターです。

店名が「クレープえんどう」になった経緯

店主のえんどうさんがやっているクレープ屋さんだから、お店の名前が「クレープえんどう」。

めっちゃシンプルでわかりやすいが、自分がお店をオープンさせるとなったとしたら、「カッコいい、いい感じのやつ」「覚えてもらいやすいキャッチ―な名前」とか、いろいろこだわったり、考えたりすると思う。

そのあたりのことを訊いてみてみると…。

モモカさん

それが、けっこう考えたんですよ、最初は。何とか「de」何とかみたいな、何とか「la」何とかみたいな、クレープリー何とかみたいな。

なかがわ

イタリア語とかフランス語で、おしゃれそうな感じのやつですね。

モモカさん

けど、大阪ってそういうオシャレなクレープ屋さんめっちゃ多いし。あと、ググってフランス語とかいろいろ調べたけど、全然ピンと来なくて。

なかがわ

あえて、そういうのは外していったと。

モモカさん

はい。それで、絶対忘れない名前にしようと思って。

「クレープ・タマゴクレ」が第一候補に

そんな中、候補に上がってきたのが「タマゴクレ」だった。

なんでも、自身のSNSに関連する名前だそうで…。

モモカさん

自分のアカウントで使ってたのが「タマゴクレ」で、周りからも「タマゴちゃん」とか「タマゴクレちゃん」ってけっこう呼ばれてて。

なかがわ

まあ、クレープに卵は欠かせないし(笑)

モモカさん

自分も「タマゴちゃん」って呼ばれてるし、これだと忘れられないかなと思ったりもして。

なかがわ

たしかにインパクトはある感じ。

モモカさん

けど、「クレープ・タマゴクレ」はちょっと長いなって(笑)

なかがわ

確かにちょっと字余り感はあるよね。

結婚したら「遠藤」が途絶えるので店名として名前を残す!?

そんな流れで、勢いで「クレープ・タマゴクレ」って命名しそうになったけど、「クレープ・タマゴクレってなあ」といったん立ち止まったときに、モモカさんの頭に思い浮かんだのが家族のことだった。

モモカさんは三姉妹の真ん中で、将来的にみんなが結婚して嫁に出ると、「遠藤」の名前がなくなる。

じゃ、店の名前にして残したらいいじゃないか、みたいなことが頭をよぎった。

なかがわ

それは熟考するというよりか、パッと思い浮かんだ感じ?

モモカさん

パッと思いついて、その後、「本当に『えんどう』にするの?」みたいな感じだったんですけど、自分の中でいいなって思いが強くなっていって。

自分の苗字だし、一回で覚えてもらえるじゃないですか。難しいフランス語より。

なかがわ

たしかに、よくわからんフランス語とかよりかは全然いいかも。

モモカさん

で、なんか将来結婚して「遠藤」が終わるんだったら、ここに残した方がいいんじゃないかなとか(笑)。

被災した実家の表札の文字が「クレープえんどう」の看板&ロゴに

上記のような流れでお店の名前が「クレープえんどう」になったわけだが、実は「えんどう」になった経緯には、もう一つ大きな理由がある。

モモカさんは宮城県石巻市出身で、中学生のときに東日本大震災に被災し、実家が被害に遭う。


自宅は取り壊しとなり、仙台に引っ越すことになったが、その際にご両親が表札だけ持って帰ってきた。

モモカさん

それが、ひらなが「えんどう」って書いたかわいい表札で、叔父さんが作ってくれたやつなんです。

で、この「えんどう」ってのをロゴにすると面白いんじゃないかと思って。

なかがわ

それが、こちらのロゴですね。

モモカさん

これ、表札の文字をなぞってるんですよ。だから、さっき言ってた「遠藤」の名前を残すってのと、表札の「えんどう」をクレープ屋の看板にするってのが、私の中でつながっていって。

なかがわ

今のお話を聞くと、よけいに意味のよくわからないフランス語の店名にするとかよりいいですね。

モモカさん

そうしたら、両親とかも喜んでくれるかなって。で、オープンしたら一生それが残るかなと思って。

それで叔父ちゃんにその話をして看板を作ってもらって、お店のロゴも依頼した人にいろいろ考えてもらったんですけど、結局このひらがなの「えんどう」がいいなってなって(笑)。

なかがわ

いい話ですね。「タマゴクレ」より「えんどう」でよかったと思います(笑)。

クレープえんどうのメニュー

こちらが、クレープえんどうのメニュー。

以下、同店のInstagramにアップされているものを掲載します。



メニューは季節などによって適宜リニューアルしていくそうだけど、

  • ホットクレープ=生地サクサク系のメニュー(鉄板の上で調理)
  • クリームクレープ=クリーム入りのメニュー(生地もっちり)
  • フードクレープ=ベーコンなどが入ったがっつり食べられる系

基本的にはこの三種類を主体とし、トッピングでバリエーションを増やしていくという。

モモカさん

やりたいメニュー無限にあるんですよ。

で、考えてたらあり得ないくらいの種類になってしまったんで、週替わりとかそういう感じで、どんどんいろんなクレープをやって行けたらなって。

なかがわ

レギュラーはもう作らずにってこと?

モモカさん

シュガーバターとか、生地楽しむ系のやつはレギュラーにして。

あとは季節ごとのクレープとか、お客様のリクエストに応えたりとか、いろいろとメニューを増やせていけたらと思っています。

なかがわ

なるほど。その意味でも、オープン後のお客さんとのコミュニケーションが楽しみですね。

今後の目標

オープンしたばかりというか、取材はオープン前に行ったわけだけど、これから経営していくにあたって「こんなお店にしていきたい」という今後の目標について聞いてみた。

モモカさん

めっちゃあるんですけど、まずは寺田町がどんなところかよく理解して、いろいろ地域に馴染むこところから始めていければと思っています。

なかがわ

下町っぽい風情が残っているとこだし、おばあちゃんとかに食べに来てもらえたらうれしいですよね。

モモカさん

はい。お店の準備をしているときに、前を通りかかったおばあちゃんとかに毎回話しかけられるんですよ、「何やんのー?」みたいな。「頑張ってねー」みたいな。その言葉をもらって、「あなたの笑顔で頑張れます」みたいな(笑)。

そんな感じなんでそこに馴染むのと、街の人にめっちゃ愛される店になれるように。美味しいのは絶対じゃないですか。

なかがわ

味がおいしいのは基本として、地域の人に愛されるお店をめざすと。

モモカさん

前に居たところは有名店で、超忙しいお店で、とにかく次から次へとこなす感じだったんですけど、一人でやる小さなお店だし、もう少しお客さんともしっかりコミュニケーションを取れる感じでできればと。

あとは近所にお住まいの方はもちろん、近くに大学とか専門学校とかもあるので、若い人にもいっぱい来てもらいたいです。まあ、いろんな人に寺田町に来てもらえたらいいなぁって(笑)


お話を聞いて、クレープに対するアツい思いが十二分に伝わってきた。

そんなモモカさんにとって、クレープとはどういったものですか?と最後に改めて訊いてみると、中学校に上がるタイミングで震災に遭い、仙台に引っ越してきたときの話を改めてしてくれた。


いわく、3月に被災し、入学のギリギリのタイミングで仙台の中学校に入ることになったから、制服などもなかった。

初めての土地だから友だちがいないのはもちろん、地元の友だちに挨拶もできないまま離れることになったのもあるし、とにかく不安が大きかった。

モモカさん

で、そしたらクレープ屋さんめっちゃあったんで。

なかがわ

さっきも話してくれたけど、それが当時の暗い自分にとってはポジティブになれるみたいな。

モモカさん

もう感動レベル! だから、おいしくて好きな食べ物ってのもありますけど、私にとっては元気の源みたいな。

あと、当時私が通っていた仙台のクレープ屋さんに、お姉さんが一人でやっているお店があって、悩み相談するくらいみんな学生が行ってて。

なかがわ

あ、そういう店にしたいみたいなのもあったりして。

モモカさん

そうですね、一人ひとりと距離の近いお店をやりたい。

私自身は、相談はしてなかったですけど、お姉さんによくクレープ屋の話とかしたりして。「大阪に就職する」っていうのを話したら、お姉さんがめっちゃ喜んでくれて、いつか仙台で美味しいクレープ屋やってよみたいな感じになって。

なかがわ

いい話ですね。

モモカさん

で、こないだ仙台帰った時に、「独立するんです」って言ってめっちゃ喜んでくれて、「こんなにクレープ好きな子いないから嬉しい」みたいな。

「お互い頑張ろうね」みたいな感じで言ってもらえて、私もうれしかったです。

なかがわ

なるほど。じゃあ、最後にご両親に何かあれば。

モモカさん

お店出すって言ったら、二人ともすごい喜んでくれて。4大出て、大阪のクレープ屋さんに就職して、なんか申し訳ないみたいな気持ちがあったので、私自身もひとまずお店を出せるところまで来てよかったです。

メニュー含め、お店やりながらどんどん充実させていければと思うので、よかったら一度食べにきてみてください。よろしくお願いします!

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