アンドレスさんはメキシコ出身で、大学卒業後は小さなカフェを経営し、働きつつ文学を嗜んでいたんだけど「もっと文学について学びたい」との思いからスペインの大学院に進学。
その後、修士課程を修了し、現在は博士課程に在籍し、「切腹」を研究テーマとしている。日本人女性と結婚し、堺市に住まいがあるけど、地域おこし協力隊として東吉野村に定住し、ウィークデイは吉野、週末は大阪という生活を続けている。
これだけ聞くと情報量多すぎてなんのこっちゃわからず、「複雑な彼」みたいなことになっている感じだけど、そんなアンドレスさんの現在に至るまでのお話を聞いてみた。
※写真:白石卓也
アンドレスさんが日本に来るまで

現在はスペインの大学院に籍があるということで、まずはそこに至る経緯について聞いてみた。
(なんで日本に来たの?とかいろいろあるけど、まずは順を追って)

メキシコの大学では、メキシコ文学とかヨーロッパ文学について学んでた。Comparative、比較文学がテーマで。



じゃ、例えばバルガス・リョサとか特定の誰かとか作品とかを研究するというよりかは、もっと全体的にいろいろな作品や作家にアプローチする感じで。



そう。そういうこと。僕はバルガス・リョサあんまり好きじゃないけど、でもそういう感じ。例えば僕、ルルフォとかはめっちゃ好き。



フアン・ルルフォ。『ペドロ・パラモ』か。あと『燃え上がる平原』は読みました。
とここから少しラテンアメリカ文学について話が盛り上がったんだけど(仲違いしていたガルシア・マルケスとバルガス・リョサが、周囲の配慮なんかもあってあるとき再会し、受け入れようと両手を広げたマルケスをリョサが殴った話とか)、それを一つひとつ採録していると膨大な長さになるのでここでは割愛。
先を急ぎます。
大学を卒業後カフェを経営


メキシコの大学で文学と哲学について学んだアンドレスさん。
その後、スペインの大学院に進むわけだが、その間には4年間のインターバルがある。
「何やってたと思う?」って訊いてくるから「プータロー」って答えたらそれは間違いで、「コーヒー屋さんしてた」とのこと。



それは何、自分で店をやってたってこと? オーナー?



うん、オーナー。就職も考えたけど、文学についての仕事は難しいと思った。だから、そのとき僕は自分のお金でコーヒー屋さん始めた。
でも、ほんとに小っちゃい店。カウンターは長かったけど。



バーみたいな感じ?



バーみたい、そう。あと、カフェにいろんな本置いといたから。



なるほど、ブックカフェみたいな感じか。



そうそう。


お店は朝の8時から夜の10時まで。アルバイトもいたが、基本的には自分でお店を切り盛りした。
並行して、お客さんがいないときや自宅で本もたくさん読んだ。



主にどんな本読んでたの?



三島由紀夫とか日本の文学。あとは哲学、ニーチェとか。



三島由紀夫はメキシコの大学で出会ったの?



うん、大学で初めて。『憂国』とか読んでびっくりした。それで、カフェやりながらもっともっと日本の文学とか、もっともっとphilosophy(哲学)の勉強した。独学で。
コーヒー作りながら、本読んでた。そこいっぱい本あったから。


日々さまざまな書籍と触れながら、「ずっと自分はカフェの店主でいいのかな」「ほんとにこれをずっとやりたいのかな」と自問したアンドレスさん。
つまり、もっと自分の好きな文学を勉強したかったし、仕事として携わりたかった。



その頃に、自分でも短編小説書くの始めた。僕もできるかなと思って、そんなこと始めた。
だからコーヒー屋さんはお金のため。ほんまに(カフェは)好きやけど、ほんとはお金のため。



その思いが募って、スペインの大学院に行くわけですね。
教授の顔写真を見てメッセージを送る


スペインの大学院に入るのにも当然テストはある。
しかし、大学を出て4年間カフェで働いていたアンドレスさんは文学に趣味として触れてはいたけど研究していたわけではなく、ポートフォリオとして提出できる論文もなかった。



つまり、テストを受けるにしろ面接を受けるにしろ、客観的に証明できるスキルや実績がなかったと。



そう。でもこんなに勉強したいから、入れるかなと。それでムルシア大学のマスター(修士)の先生にDMを送った。



あ、直接メール送ったんや。



うん。僕はメキシコ人なんですけど、ほんまにこれ(文学)勉強したい、それ決めた。大学で勉強したけど、この4年間ぐらいカフェやってたから、あんまりスキルがない。その間に自分で勉強してたけど、資料がない。ゼロ。



なるほど。そんな感じの訴状みたいなのを送ったと。



そう。それDMして。記事みたいなこと書いて、何やりたいとか、なんでここで勉強したいとか、目的は何かとか、そんなこと書いて送って。(そしたらそのDMを送った先生に)「みんなとちょっと考えよう」って言われた。


DMでは、メキシコの大学ではメキシコの文学とヨーロッパ文学の比較を中心に学び、大学院ではそれらとともに日本の文学を専攻したい旨を伝える。
本当は日本の文学をがっつりと研究したいというのが本音だが、それだとさすがに唐突すぎるので、多少なりとも自分とゆかりのあるジャンルをアピールしつつ、自分のやりたいことをメッセージに記した。
ちなみに、たくさんいる教授陣の中から、特定の先生お一人にメッセージを送ったわけだが、なぜその方を選んだのかというと…。



その先生が日本にかかわりのある研究をしてたとか?



いや。優しそうと思った。(大学のサイトで)写真見れるから(笑)



え、じゃあ、その人の研究内容とかじゃなくて、顔が優しそうやったから?(笑)



そう。大学の先生はたぶんみんなは違うことやってる。めっちゃ日本の文学のことはやってない。
だから、研究内容とかじゃなくて、写真見ながら決めた(笑)


つまり、どの先生も自分がやりたい分野(=日本文学)にドンピシャの人はいない。
それだったらひとまず大学院に潜り込むことを最優先し、優しそうな先生にアプローチしようという作戦だった。
で、結果どうなったのかというと、メールを送った人以外の教授の方々にも審議されて、「ようこそ、入っていいよ」と合格のメッセージが届いた。
スペインの大学院へ


アンドレスさんが進学したのは、スペインのムルシア大学というところ。
ご自身が言うように、日本文学の専攻があるわけではないけど、文学や哲学などの人文系に強い大学だという。
カフェを売った資金をスペインでの生活費に充てる


で、願いが叶ってスペインの大学院に行くことが決まったアンドレスさんは経営していたカフェを売り払い、当地へと赴く。



けっこう、ええ値段で売れたん?



うん。そのお金でスペイン行った。でもいっぱいじゃないけど、十分。



そこそこの価格で。



そう。スペイン行けそうと思って、たぶん1年間絶対そこに住めると思って、全部、本とかカメラとか全部かばんに入れて行った。


大学のあるムルシアはスペイン南東部の都市。
ムルシア
ムルシアはスペイン南東部に位置する大学都市で、同じ名前のムルシア州の州都です。ムルシアのカルデナル ベルーガ広場には町の代表的な建築物が並んでおり、ゴシックからバロックまでの様式が組み合わさった装飾的な大聖堂と、カラフルな 18 世紀の司教館が、建築家ラファエル・モネオが手掛けた 1990 年代の近代的な市庁舎の別館と対照をなすように建っています。
出典:wikipedia



バルセロナとかの都市部は高い。学費は高くないけど、生活費が高い。その点、ムルシアは小さいとこやから生活費は安い。それも選んだ理由のひとつ。



それで、修士課程には2年通ったの?



1年間。だいたいそのスペインのマスターズは1年。



じゃ、1年で修了して、次はどうしようと思ってたの。まだ勉強したかったん?



まだ勉強したいけど、何したらいいかなと思ってた。ムルシア大学院終わってから、どうするかなと思って。
コルドバ大学の博士課程に進学


ムルシア大学の修士課程在学中、次の進路について考えていたとき、登壇者が世界の文学について発表するみたいなイベントが学内であった。
たまたま通りかかって聴講したアンドレスさんは、ある一人の発表者の内容に惹きつけられる。
その登壇者=他大学の教授は、日本のホラー小説について語っていた。



例えば、江戸川乱歩とか。日本の文学と日本のホラー映画はどんな関係とか、その発表聞いた。



それ聞いて、興味そそられた感じ?



それ聞いたら僕はテーマより、しゃべってた人がすごいと思った。
だからその発表終わったらその人ちょっと挨拶して、「すみません、僕はメキシコ人なんですけど、日本の文学興味があるけど、今この発表聞いたら、急にごめんなさいけど、生徒になれるかなと思った」って言った。



つまり、その先生に師事して、その人のもとで学びみたいな。



Ph.D.(博士号)を取得するには先生がいる。その人はコルドバ大学の人。普通に入学できへんので生徒になるために先生探さなあかん。



なるほど。それでその先生に掛け合ったわけですね。


そのイベントで知り合った教授に相談したところ、「来週コルドバに来て、ゆっくり話そうって」って言ってくださったそうで、アンドレスさんは喜んでコルドバに赴く。
その際にくだんの先生から、「何がやりたい」「どうしてこの大学院で勉強したい」「なんで僕と勉強したい」「あなたの目標は?」とかいろいろと質問された。
ただ、アンドレスさんには訊かれたようなものの答えはなんにもなかった。
何もなかったけど、唯一あったのは「心だけ」だった(本人談)。



日本の文学を勉強したいっていう気持ちってことですね。



うん。面白い。どこまでいきたいかまだわからないけど、ほんまに勉強したい。





テーマとかもまだ決まってないけど。



テーマ何も決まってないけど勉強したい。だからその話の後、僕はやっぱり「切腹」に決めようと思った。
なんでここまで来たの思い返したら、やっぱ三島由紀夫の…。



『憂国』とか。



そう。その三島由紀夫のいろんな思い出が出てきたから、やっぱり「切腹」のテーマ決めようと思って、その先生に言ったら、先生は「いいよ」って言われて始めた。そのとき。
というわけで、ムルシア大学で修士課程を修了したアンドレスさんはコルドバ大学に入り、同大の博士課程に進む。
現在も同課程に在籍中で、研究論文を執筆している。
The Ship for World Youth(世界青年の船)に乗る


コルドバ大学で研究生活をスタートしたアンドレスさんに、あるとき日本に行くチャンスが訪れる。
休憩時間にfacebookを見ていたら、「日本に行きたい?」って広告が流れてきて、「行きたい!」と思っていたアンドレスさんはポチっとその広告を押してみた。
それがThe Ship for World Youth(世界青年の船)のお知らせだった。
The Ship for World Youth(世界青年の船)とは
世界青年の船(Ship for World Youth: 通称SWY)事業は内閣府青年国際交流事業の一つで、18〜30歳の青年が世界各地から集まり、日本参加青年約120人、10カ国から募る外国青年約120人と船内で1ヶ月共同生活をしながら、ディスカッションや文化交流等を通して、異文化対応力やコミュニケーション力を高め、リーダーシップ等の向上を図ります。また、訪問国では、ディスカッションのテーマに応じた施設訪問や現地青年との交流などを行います。
出典:日本青年国際交流機構 世界青年の船
アンドレスさんは自国のメキシコでエントリーしたが、応募数は約4,000。
その中で選出されるのは10人で、倍率は400倍ということになる。
そのエントリーした人たちが所定のプログラムをこなし、ワークショップに週1回ペースで参加。
その工程も審査の対象となる。



その400倍、受かったんや。



受かった。





でも、その選出方法だと、コミュニケーション力とかが大事とか、そんな感じ?



そういうこと。勉強したこととか、それは意味がなかった。だから人柄とかコミュニケーション能力みたいなことか。
でも僕のイメージは、そのときヒゲはここまであったから、見るのは簡単(笑)



髭が長かったから見つけやすかったってこと?(笑)
でも、あんま長すぎたら「あいつ大丈夫か」みたいにはならんかってんやね。



だから、この人って何、みたいな。めっちゃみんな見れるから(笑)
ちなみに、当時の写真を見せてもらった。





たしかに、これは目立つ(笑)



そうでしょ(笑)
当時のアンドレスさんの髭が長ったことが直接的に合格の要因になったのかどうかはわからないけど、良くも悪くもめだったのは事実で、いずれにしても高い競争倍率を勝ち抜き、SWYの参加資格をゲットした。
というわけで、2018年の1月末に来日し、そこから3月上旬くらいまでの約5週間、SWYのさまざまなプログラムに参加することになる。
船上で連日のディベート


たしかに、こうやって並んでいるところを見たら関羽ばりに豊かな髭をたくわえてるアンドレスさんはめっちゃ目立っている。
まあ、それはいいとして、日本に到着後、SWYの活動としてはメキシコチームといっしょに石川県を訪れ、2週間ほど当地にホームステイ。日本人学生と金沢城に行ったり、ワークショップに参加したり、さまざまなプログラムを体験した。
その後、東京に戻り、船に乗って、インドとスリランカとシンガポールを巡り、1カ月半ほどの旅程を経て日本に帰港した。



その船の中でワークショップもしてた。毎日毎日、朝から夜まで。



それはだから、参加されてる世界各国の学生さんっていうのは、いろんな専攻の人やんね。文学もあれば、経済学もとか。



ビジネスもとか。みんなは違うこと勉強してるけど、このプログラムは世界のリーダーズみたいな話してる。でも僕はリーダーじゃないと思ってたけど。



研究テーマ「切腹」やもんね(笑)。
担当教員に日本行きを直訴


SWYの活動が終わった後、アンドレスさんはスペインに戻る。
当然、担当教員の先生は「どうでした?」「面白い人会えた?」とか聞いてきて、アンドレスさんは「ほんまに日本に戻りたい」と伝えた。



あ、言ったんだ。



スペインは大きいけど、ほんまに日本に行きたいって。



それは、SWYの活動でステイしてた期間により好きになったってこと?



そう。その先生に何言われるか全然わからんけど、ほんとの気持ちはまだ日本で勉強を続けたいと思ってた。
まだ勉強したいけど、スペインで勉強したくない。もう勉強したくない。僕は日本で勉強したいって言うた。僕は。あとその先生は、じゃあその話を全部書いてって言われた。


そこでアンドレスさんは、「自分の研究したいこと」「日本に行くとどういう研究ができるか」「目的」などを書くとともに、
日本に滞在していたときに会った日本の研究者の話などをレポートにまとめ、提出した。



切腹についてのこと研究してるけど、スペインの図書館には何もない。あと、誰としゃべることもない。みんなは切腹の研究者じゃないから、それ難しいから、自分のお金で日本に行ったらこの研究続けれると思った。それ全部書いた。



あとは、自分の研究テーマに近いことを研究している人をリサーチして、その大学に足を運んだこととかもレポートに書いたと。



うん。そのレポート見せたら、先生に大丈夫って言われた。毎年2回レポートを書いて、それで大丈夫。
でもPh.D.(博士号)取るためには、それ以外にも世界のいろんなとこでやってる大学の研究発表会に参加せなあかん。



それは確かに大変。日本にいてると物理的な距離も遠くなるし、費用もかかりそう。



でも、それは絶対参加やらなあかんから、それ日本におったらどう?みたいな質問された。
その発表あったらどうする?って言われて、その間にコロナあって。



あ、それでリモートになって解決みたいな。
実際、来日後に一度学会の発表会でスペインに戻らないといけないことがあったが、以降はすべてリモートで対応。
飛行機代がバカにならないのでアンドレスさんも当初は心配していたが、コロナ禍となってオンライン・ミーティングが一般化し、その面に関してはコロナのおかげで当面の課題が解決されることとなった。
日本人学生との交流を通じて、文学・切腹以外の日本にも興味の幅が広がる


SWYを体験し、スペインに戻った後、担当教員に「日本に研究に行くこと」を直訴するわけだが、そこまで強く思うに至るには、日本滞在中になにかがあったはずだ。
そう思って、そのあたりのことに関して質問してみると…。



そのとき面白い人会った。その船(SWY)の中で。
その船乗る前、勉強してたじゃないけど、聞いたことあることは、日本人はみんな同じぐらい。みんなは同じこと考えてるし、みんなは同じことやってるし。そんなことよく聞いてた。



日本人は平均的に、みんな考え方が均一化してて、あまり個性がないみたいなことかな。



えーと、みんなは同じマナーとか、同じ考えとか、同じお金持ってるとか、そんなイメージがあると思う。



で、船乗ったら全然ちゃうやんけみたいな。みんなちゃうこと言うし面白いなみたいな。



全然ちゃうと思って。いろんな面白いことあった。
日本の人はめっちゃ面白いと思ったけど、みんな全然違う。ほんまに違う。大阪の出身と東京の出身も全然違う。


またSWYでの日本人学生との交流を通じて、アイデンティティや愛国心といったことにも関心を持つようになる。
対話する日本人はみんな自国のことを愛しているけど、ではどうして日本のことが好きなのか? また、例えばSYWに招待される外国人の旅費や期間中の生活費の全額が支給されたわけだが、どうしてそんな活動に大金を使っているのか?とか、いろいろと興味がわいた。



船に乗る前に、当時の安倍首相に会った。メキシコ人とスペイン人と日本人、代表の一人ずつ。
そのとき思った。なんでこの人はそんなお金使ってる? どんな理由がある?



海外からの学生だけでも120人いて、その旅費から生活費まですべて持つって、けっこう大きなお金やもんね。
んで、その疑問を直接安部首相に投げかけたん?



言われへん。そんな勇気ない。あと、会う前に係の人がルール教えてくれた。



これは言うなよとか、スマホとかで写真も撮ったらあかんし、しゃべってもあかんぞみたいな。



そう。全部あかん。(あなたたちの)担当はこれだけ、あとは戻ってきてくださいみたいなこと言われた。
そうした体験から日本の国の仕組みみたいなものにも興味を持ったアンドレスさんは、SYWの期間に戦後の安保問題についても勉強をし始めた。
つまり、文学や「切腹」以外にも関心の幅が広がり、そのことが日本により一層の興味・関心を抱くきっかけとなったのだった。
彼女の存在が一番大きかったんちゃうの?みたいな


SWYに参加し、個性豊かな数多くの日本人をはじめとする世界各国の学生と出会い、たくさんの刺激をもらった。
その体験が自身の興味の幅も大きく広げてくれたわけだが、さらに大きな出会いもあった。



あと、今の彼女とそこで会って。



日本にまた来た理由、それが一番やないの。けっきょく(笑)。



それもある(笑)。でも船のときは人が多いから毎日会うのは難しい。でも毎日、新しい人会えた。毎日が異文化交流みたいな。



めちゃ楽しそうやね。


その際、出会った人たちに日本ってどんな国?と質問を投げかけると、「わからん」といって教科書的な答えをしてきた。
それを聞いたアンドレスさんは、「これは自分の感想、考えじゃない、これは本の考え」と思った。
でも、時々自分の考えをぶつけてくる人もいて、当初聞かされていた日本人のイメージは崩れ、日本は面白い国と感じたという。



あと、たぶんメキシコとちょっと似てるかなと思った。日本が。アメリカとの関係とか。



そっか。影響力が強いと、アメリカの。どっちも戦争負けてるし。
それもけっきょく比較文化でいけますよね。対アメリカとの、メキシコ対アメリカと、アメリカ対日本の比較みたいなね。



みたいな感じ。だからこれさっき言うてたことは、全部集めたらこの今の彼女とか切腹の興味とか、Politics(政治)とか全部集めたら、もうスペインにはいたくない、もう他のところ行きたい。



そっか。刺激的なもの見ちゃったから、日本に飛び込むしかないみたいな。
というわけで、居ても立ってもいられなくなったアンドレスさんは日本に行きたい!と思いを募らせ、教授に求められたレポートを書き、その目的を達成する。
そんなアンドレスさんが日本に来てからのお話は2話目以降で。
アンドレスさんの半生part2に続く。


コメント